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  • 執筆者の写真風香 西崎

第4回定例会の一般質問(2023年11月21日)





6月の第2回定例会に引き続き、「多様性を認め合う社会の実現に向けて2」と題し、

1 LGBT理解増進法の豊島区の取り組みについて

2 不登校対策について

3 子どもの権利と意見の尊重について

4 会計年度任用職員の処遇改善について

5 その他について

一般質問をしました。


LGBT理解増進法の豊島区の取り組みについて

6月16日に国会で可決・成立したLGBT理解増進法は、国や自治体、企業や学校などに対し、性的マイノリティーへの理解の増進や啓発、環境の整備などを努力義務としました。

問:このLGBT理解増進法について、豊島区はどのように理解し、今後の方針をどのように考えているか?


答:LGBT理解増進法は、国や地方公共団体の役割として、性的指向やジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解促進のため、必要な施策を講じることを規定している。

性の多様性に関する日本初となる法律が制定されたことで、男女の性別にとらわれない、ジェンダーの多様性に寛容な社会の実現に向け、大きく前進したと考えている。

今後もLGBT理解増進法の理念である、当事者の方への差別や偏見をなくし、誰もが安心して暮らせるよう、当事者に寄り添った支援や普及啓発、区民の皆様への理解促進に積極的に取り組んでいく。


第2回定例会で、パートナーシップ制度を利用した方々が利用できる豊島区の施策・事業について質問しました。

その後、早急に全庁的な調査を実施し、利用できるサービスの一覧を区のHPに掲載していただき、ありがとうございました。

この度のご尽力によって利用できる豊島区の施策・事業等の掲載数が5件から12件に増えたのは喜ばしいことです。

一方、第2回定例会でも述べさせていただいたように東京都のHPで確認すると、世田谷区では同様の施策・事業数が29件、北区25件、江東区20件などとなっております。

問:豊島区も「これで終わり」ということではなく、他区ではどのようなサービスが利用可能となっているのかを調査・研究し、引き続き制度を利用している皆さま、制度の利用を検討している皆さまに寄り添い、さらなるサービスの充実に努めていただきたいが、いかが?

答:引き続き、他自治体の例を参考にしながら、年2回、全庁的な調査・確認を実施し、子育て支援や福祉の分野などのサービスの充実に努めていく。


問:「多様な性自認・性的指向に関する相談」について、専門の相談窓口を設けていただきたいが、区のお考えは?

答:当事者やご家族の方からの様々な悩みや不安について、匿名で安心して相談できる区独自の電話相談窓口を設置したいと考えており、来年度の導入に向けて、検討を進めている。



不登校対策について

豊島区でも全国的な傾向に準じて不登校児童・生徒の数が増加傾向にあり、コロナ禍が始まった令和2年度から令和4年度にかけて不登校児童・生徒数は約1.7倍となっています。

文科省は令和元年(2019年)、不登校児童・生徒が自宅学習することで「出席扱い」と認定する制度を発表しました。

出席扱いとする主な条件として学習計画の作成、学習計画に基づいた映像授業の履修、学習レポート提出などがあり、出席扱いとするかどうかの判断は校長による、となっています。

文科省が公表している令和3年度の実績によると、小学校では不登校児童数8万1498人のうち4752人、中学校では不登校生徒数16万3442人のうち6768人が本制度を利用して「出席扱い」となっていますが、全体数から見れば5%前後に留まっており、制度が浸透しているとは言い難い状況です。

問:本制度について、豊島区の現状と今後の方針は?

答:本区においても、ご指摘のありました文部科学省の通知に則って、校長が出席にするかどうかの判断を行なっているが、令和3年度の調査では、本区においても、不登校児童・生徒が自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとして認められた割合は低い値となっている。

現在、不登校対策委員会におきまして、自宅におけるICT等を活用した学習活動をはじめとした、不登校児童・生徒の出席基準を検討しているが、学校における不登校児童・生徒の出席の扱いに関する状況を詳細に把握する必要がさらにあるという風に考えている。


豊島区では現在、8人のスクールソーシャルワーカーが区内小中学校を週1回、東京都から配置されたスクールカウンセラーが各校を週1日程度回られています。

問:不登校児童・生徒数の増加が喫緊の課題となっている中で、各校週1回程度の人員は十分な配置と言えるのか?各学校のニーズを把握してはいかが?各学校からはどんな声が上がっている?

答:小・中学校からは、スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの配置数・配置時間の拡大を求める声がある。

教育委員会では、昨年10月に、スクールソーシャルワーカーを増員し、巡回型支援を実施しており、不登校等をはじめとする子どもの課題の早期発見・早期対応につながっている。不登校児童・生徒への支援の必要性は増しており、今後も、家庭訪問等のアウトリーチができるスクールソーシャルワーカーの体制強化に向けて検討していく。


問:不登校特例校の設置について、豊島区が既に視察に行った学校とこれから行く予定の学校など、豊島区が行なっている実態調査の詳細を教えてください。

答:今年度、これまでに公立学校として校舎をもつ八王子市立高尾山学園、区の施設内に分教室として設置されている大田区立御園(みその)中学校、私立学校である星槎(せいさ)中学校の3校を視察しました。

それぞれの学校の教育課程や施設、外部人材の活用状況や必要経費等について調査しました。どの学校も、子どもの実態に応じた個別学習の時間を設定し、自分のペースで学習できる機会を保障していることが分かりました。


世田谷区は「不登校支援アクションプラン」を策定し、不登校の現状と課題、それらに対する取り組みの成果と課題を明確にしています。

問:豊島区も中期的な支援計画を策定してはいかが?

答:不登校児童・生徒の増加を踏まえ、不登校対策は喫緊の課題と捉えており、今後、総合的な不登校対策の計画の策定を検討することとしている。


支援計画を策定する・しないにかかわらず、不登校児童・生徒への支援を行うにあたり、区としての基本的な考え方や支援の方向性が非常に重要だと思います。

問:学校へ戻ることを選択しない、出来ない子どもたちをどのように支えていくのか?

学校に戻る選択をする子がいる、学校以外の居場所を見つける子がいる。様々な選択肢、つまり支援体制を提供し、いずれの選択も受け入れ、その選択をサポートすることが、本当の意味で「多様性を認める」ということなのではないでしょうか。

登校だけを目標とすることなく、子どもたちが自らの進路を考えて決定し、社会的に自立できるように支援する体制づくりを要望します。


答:不登校児童・生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的にとらえて、最終的には社会的に自立できるように、一人ひとりに寄り添った支援が大切であると考えている。

不登校の要因は多種多様であるため、スクールソーシャルワーカーによる伴走的な支援とともに、今後も多様な居場所の確保をすることなどにより、全ての子どもたちを支えていく。


7月に立憲・れいわ・市民の会のメンバーで、5月〜西池袋中学校の校内に開設された放課後の居場所「にしまるーむ」を視察しました。

15時半〜利用できる第2部では、1年生〜3年生まで、学年は関係なく多くの生徒がかわるがわる立ち寄っている様子を拝見し、子どもたちにとってフラッと気軽に立ち寄れる、そんな居場所の選択肢が一つ増えたこと、とても重要なことだと改めて感じました。

問:10月から開催日を火曜日に加えて金曜日も増やしたと伺ったが、利用実績は?

答:5月23日の開設以来10月末までで、21回延べ870名の生徒が利用。


問:「にしまるーむ」の取り組みはぜひ他の地域の中学校にも広めていただきたい。他での導入に向けて、どのように他校での理解を高め、拡大を図っていくか?

答:今後、各学校の状況や意向を十分に把握しながら、学習支援を取り入れた形の居場所など、実情に合わせた形で進めていく。


9月には中高生センタージャンプ長崎も視察しました。

コロナ禍で利用者数がやや減少傾向にあったそうですが、昨年度の1日当たりの利用者数は平均37.8人、今年度は8月末時点で40人となっており、多い日には80人〜90人来ることもあるそうです。

学校以外の居場所を求める子どもたちの支援や、放課後の居場所としても重要な役割を果たしていると考えます。

ジャンプ長崎は午前10時から利用可能であることを「朝ジャン」と称し、お知らせのチラシを作成しています。

問:学校や教育委員会は学校になかなか行けていない子どもに対し、養護教諭やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなどを通じてこのチラシを配布し、ジャンプ(特に朝ジャン)の選択肢をしっかりと案内しているか?

答:現在、中高生ジャンプの案内は、所管課より学校や教育センター等に配布され、誰でも見たり持ち帰ったりすることができるようになっている。

学校に登校できない子どもに対しては、スクールソーシャルワーカーが状況に応じて様々な居場所を紹介してきており、今後もジャンプも含め引き続き案内していく。


「にしまるーむ」は中学生向けの支援ですし、ジャンプも原則は中高生の居場所です。子どもスキップは「小学生の居場所」に位置付けられていますが、放課後のみとなっています。

問:小学校低学年の児童で学校になかなか行けていない子について、学校以外の居場所や受け入れ体制の現状と今後の方針は?

答:不登校の小学生・中学生の学校以外の居場所としては、教育センターの適応指導教室があるが、発達段階を考えると、特に低年齢児童については、スクールソーシャルワーカーなどの支援を強化する中で、スキップなどの施設を活用しながら、不登校児童及び保護者への支援を強化できないかと考えており、今後、居場所の在り方も含め検討していく。


問:中高生向けの様々な居場所をまとめたチラシについて、区民ひろばでの掲示や配布に加え、各中学校でも養護教諭やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを通じて配布していただきたいが、いかが?

答:作成したチラシには、中高生センタージャンプや区民ひろば、柚子の木教室などの区施設とピコカフェやみらい館大明ブックカフェなど民間NPOが運営する居場所も掲載し、QRコードからそれぞれのホームページにつながるようリンクを貼っている。

すでにジャンプのX(旧ツイッター)やインスタグラムのSNSにチラシのデータをアップロードして、登録している中高生に情報提供をしている。

今後、区民ひろばへ掲示するとともに、各中学校でスクールカウンセラーなどを通して手渡しするなど教育委員会との連携のもと居場所の周知を図ってまいります。



子どもの権利と意見の尊重について

世界中すべての子どもたちが持つ権利を定めた「子どもの権利条約」の基本的な考え方は「差別の禁止」、「子どもの最善の利益」、「生命、生存及び発達に対する権利」、「子どもの意見の尊重」の4つの原則で表され、4月に施行された「こども基本法」にも取り入れられています。

「子どもの最善の利益」とは、“子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考える”ということです。

豊島区は、23区中2番目に早く平成18年に子どもの権利に関する条例を制定しました。条例の制定に伴い、子どもに関わる施策全般に「子どもの権利」という視点がより具体的に加わったと理解しているが、子ども家庭部と教育部で所管が分かれていることによる弊害もあると感じている。

問:区は部署間の連携をどのように図り、「子どもの最善の利益」をどのように保障していくのか?

答:子どもの最善の利益を保証するため、教育委員会と子ども家庭部の連携は重要であると考えている。

現在、教育委員会と子ども家庭部は、子どもの最善の利益を守るために、教育委員会の不登校対策で構築した、アシスとしまや中高生センタージャンプ、児童相談所、子ども家庭支援センターなどから構成する支援ネットワークで不登校やヤングケアラーなどの課題を抱える児童生徒に対して支援を行なっている。

また、教育委員会と連携し、条例の普及啓発にも取り組んでおり、共同で作成した権利条例に関する児童向け学習用パンフレットを授業で活用、また希望する学校で権利擁護委員による出前講座を実施するなど、子どもたちが「子どもの権利」について学び、考える機会を設けている。今後も子どもの最善の利益を最優先に考え、連携して取り組みを進めていく。


問:世田谷区のように、当事者である子どもたちの意見もしっかりと聴いて教育大綱に反映していただきたいが、子どもたちの声を聴く機会を設けることについて、区長のお考えは?

答:今年6月に開始した「子どもレター」は、11月16日現在、355通お受けしており、数多くの子どもたちの声を聴くことができている。

また、今年8月に開催され、17名の子どもが参加した「としま子ども会議」や、23名の子どもが参加した豊島法人会主催の「夏休み租税教室」では、子どもたちが学校や教育の課題に関して話し合い、「行きたくなる学校」について発表してくれました。なお、「としま子ども会議」は来年1月にも開催し、8月に子どもたちが発表した内容を受け、区が検討した内容について報告する。区と子どもたちとの双方向でのやり取りとなる。

さらに、学校では、年2回、授業や学校生活に関するアンケートをとるなど、子どもたちの声を受け止めている。こうした子どもたちの大切な声を教育大綱の策定に生かしていく。

これまでも申し上げてきたが、私は区民の声を区政に反映することを信条としており、教育大綱も例外ではない。今後も、来月から開始する、未来としまミーティングをはじめ、これまで以上に教育の主体、当事者である子どもたちと向き合い、「ひとが主役」の区政にとって、大きく重要な柱となる「教育」について、今後目指していく方針を示していく。



会計年度任用職員(非正規公務員)の処遇改善について

令和4年(2022年)度4月時点における子どもスキップで働く「学童指導補助」員の報酬単価は@1168円で、23区平均の@1396円を下回り、23区中18番目となっています(台東、墨田、渋谷はデータがない)。

中野区、練馬区、板橋区などの近隣区では、学童指導補助員の報酬単価は1200円〜1600円です。400円以上の差が出てしまっており、これでは人材確保にも影響が出るのは必至です。

また、保育士(資格なし)の報酬単価は@1396円ですが、こちらも23区平均@1483円より87円低く、23区中15位と比較的低い順位となっています。


今年度、正規職員の給与改定に伴い若干上がったとのことですが、他区も同様に上がっているため、23区の中で比較的低い水準となっている状況は、あまり変わっていないのではないでしょうか。

共働き世帯が増える中、保育園や子どもスキップなどの重要性が高まっている一方、豊島区では、子どもスキップでは約9割、保育園では約4割の会計年度任用職員が運営を担っています。

保育士や子どもスキップの職員は子どもの命を預かる大事な仕事です。現場で働く方からは「最近は仕事の内容も多岐にわたり、大変な仕事になっている。処遇改善なしでは人が集まらない」といったお声が寄せられています。


問:学童指導補助員、保育士の報酬単価を上げることは人材確保の観点からも急務だが、豊島区の方針は?

答:今年度の特別区人事委員会のプラス勧告による、正規職員の給料表改定に伴い、子どもスキップの学童指導補助員、保育士ともに、時給にして概ね4%の引き上げとなる予定。

これに加え、特に、子どもスキップの学童指導補助員については、来年度に向け、区独自の報酬額引き上げを検討中であり、さらなる処遇改善を図りたいと考えている。

会計年度任用職員の処遇は、人材確保及び、人材の定着の観点からも重要であると考えており、今後も必要に応じ、改善に努めていく。



区民による政策・予算提案制度について

8月1日から9月15日までの約1か月半で団体提案72件を含め233件の提案があったと伺い、多くの区民の方が区政へ関心を寄せていると感じました。

また、10代から40代の提案が計145件と提案総数の6割以上を占めたことは、比較的若い世代の区政への参画を促したのではないか、と感じております。

問:応募いただいた事業案233件から10件を選定した過程について、特に二次審査の内容(採点審査や選定委員について)を具体的に教えてください。

答:皆様からいただいた提案は、全ての部署で情報を共有したうえで、一次審査として、政策経営部及び提案に関連する部署において、制度に定める基準に適合してるかをはじめ、既に区が実施しているもの、既存事業の拡充や修正に該当するもの、理念や考え方を事業に反映すべきものなどを区分し、この過程において233件のうち72件を選定。

そして二次審査では、区長・副区長・教育長及び部長級職員を中心とする「区民による事業提案制度審査委員会」において、「課題設定」「独創性」「波及力」「経済性」「公共性」の視点から審査を行い、10件の提案を選定し、区民投票を実施。


問:投票者の年齢、住所(丁目まで)、提案制度を何で知ったか、の内訳は?

答:投票いただいた646名の年齢別の内訳は、最も多いのが30代198名、次いで40代の171名となっており、30代以下の若年層がおよそ4割を占めている。

住所地は、最も多いのが南長崎で8.7%、次いで東池袋の7.9%、池袋本町の6.7%となっており、区内全域に広がっている。

制度を知ったきっかけは、SNSが全体の36.1%と最も多く、次いで「広報としま」が20.1%、豊島区ホームページが14.7%、ネットニュースが14.1%と続いている。


豊島区の人口が約28万人であることを鑑みると、投票総数1670票はかなり少ないと感じる。投票期間がやや短めであったことや、周知方法が十分でなかった可能性などが主な要因として考えられる。

問:区政への関心や参画意識を高める観点から豊島区が考える今後課題は?

答:最終的に予算化された事業提案は、区民の皆様やメディアからの注目も高いと考える。さらにこの取組みを区政への関心や参画意識を高める観点から、区民の皆様に様々なメディアを通じて発信するとともに、提案内容に対する区の見解等について、区民の皆様に「見える化」することが重要であると認識している。


問:今回応募いただいた事業案について、『区はこのように受け止めました』と一方通行の発信で終わりにするのではなく、未来としまミーティングでテーマとして扱ってはいかが?

答:区長が区民の皆様と直接意見を交換する「未来としまミーティング」において、今回、提案の多かった事業をテーマに設定することなどを含め、様々なテーマ、様々な年代の方を対象にするなど、区政参画のすそ野をさらに広げていけるよう、取り組んでいく。


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